清野無果「■批評祭参加作品■ネット詩fについて」を読んで、インターネットにおける言語表現について/田代深子
わたり広く用いられ、一方 かな の発明により平安時代に女子中心の口語体の かな文がおこり栄えたが、鎌倉時代ごろから口語と文章の差が大きくなって言文二途に分かれて言文不一致になり、以後和漢混合のさまざまの文語文体が次々と現れて江戸末期に至った。明治維新後の日本の近代化にあたって、言語文化の面で直面した困難な問題は、近代的な人間の思想や感情を、自由に十分に表現できる近代口語文体をどうして確立するかということであった。しかも日本語の場合には、元来外国の文章である漢文体と、古語の文法に拠って民衆には通じがたい和漢混合の文語文と、この二種の前近代的な文章の克服が必要であった。
(山本正秀「言文一致体」『岩
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