無為自然、苦しみて、苦しむことなく。/生田 稔
 
るのは無理である。それはそれでいいのである。とにかく、食うてなんぼ着てなんぼの時代である、地位の競争はどこの世界でもあるが、実にむなしい。30歳代でその長老の立場になって慣れぬ見知らぬ地で働いたが、信者の間にある競争と憎しみに少し悩まされたが、何もかも放り出した私にとって、それは意中外のことであった。酒でもいっぱい飲めば翌日は忘れた。
 しかし、世の中むっかしいもので地位にとことんこだわる人もあるようだ。特に、親が聖書伝道者で、その子というのがそれだ、特に女親が聖書伝道者である場合が多い。教会のヒエルラーキーを上ることを女親は子に願う.いずれの社会でもそれは同じである。必死に出世しようとする姿は
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