無為自然、苦しみて、苦しむことなく。/生田 稔
。なるほど、そうだ。みんな神のものだ、全部神が与えた。それで、スーッとして、私は軽々とそれから人生を歩みだした。まさに信仰いちじょの半生であった。
平坦な40年ではなかつたが、今でもクリスチャンである。先日親戚の者と登った比叡山の根本中堂、堂の中では若い僧が2人で叡山の歴史を説明する。話は信長焼き討ちに及んだ。堂を出てから一緒に居たものにつぶやいた、「明智光秀は焼打ちを命ぜられたとき、人が尊ぶものを尊しとすべきべきではないでしょうかと信長に諌言したのですよ。」
家内の姉がニッコリ笑った。家内の義姉はしきりに祈り、供え物をした。美しい姿だと思った。キリスト教も仏教もあるものかと感じた。神
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