ビーム・ビーム・ビーム/田島オスカー
ホカロンなんてダサいわよ、
あたしと会うときはそんなもの持たないで。
カーテンに透ける夕陽
そのむこうに何があるかを彼女は知っていた
バカじゃないの、
寒いならひとりで居なきゃいいのに。
彼女は全てをありのままに
さらけ出すことなど愚考だと知っていた
ねえ、どうしてそんなにすぐ目を伏せるの、
まるであたしが悲しいだけみたいじゃないの。
痛々しさばかりがにじむ毛先に
絡む指が美しいことだけが彼女の良いところだ
もう会うこともないなんて、
あなた言うけれど、
僕はきっとこの先いつだって
彼女の常に揺らぐ視線を思い出す
あたしね
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