■批評祭参加作品■七〇年代詩の均質性/岡部淳太郎
稲川方人『われらを生かしめる者はどこか』
一九八七年・平出隆『家の緑閃光』
このリストを見ると、七〇年代後半から八〇年代前半にかけて、荒川洋治がもっとも多くの詩集を出している。荒川は『水駅』以前にも第一詩集となる『娼婦論』を一九七一年に出している。それに反して、稲川方人はかなり寡作。平出隆はこの時期に精力的に活動をしたものの、九〇年代以降はほとんど沈黙している。
ともかく、七〇年代後半から八〇年代にかけて、彼等が詩人として、また批評家として、精力的な活動をしていたことは確かだ。そのようないわゆる「七〇年代詩」とひとくくりにされるような(または、ひとくくりにしたくな
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