■批評祭参加作品■七〇年代詩の均質性/岡部淳太郎
みたいと思う。
便宜上「七〇年代詩人」と呼称されてはいるが、彼等は七〇年代の十年間にまるごと詩人として目立った活動をしてきたわけではない。七〇年代の前半はまだ六〇年代の名残りが強く、吉増剛造や天沢退二郎などの六〇年代詩人たちが精力的に活動していた。彼等七〇年代詩人たちがそのような呼称をつけられたのは、そう名づけることによる詩壇の外部への宣伝効果という面もあっただろう。彼等がもっとも精力的に活動し現代詩の根幹にまで影響を与えるような詩作をつづけていたのは、主に七〇年代後半から八〇年代にかけてである。いちおう年譜的事実を列挙すると以下のようになる。
一九七五年・荒川洋治『水駅』
一
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