2006年夏 暑中お見舞い申し上げます/do_pi_can
 
湿度高き日に
あなたの白き指を想う
その指がなぞる先
北上する飛行機雲のひとすじ
オホーツクを抜け、
北極海へと達するに違いない航跡の
さて、
北の海も、夏ともなれば、
さすがに日差し浴び
白熊や一角達は
氷の上で
日向ぼっこでもしているのだろうか
その白き平原を
駆けたし想い噛み締めつつ
飛行機雲薄れ行くを眺める

風が出てきた
風鈴がチリンと鳴る
子供の頃の
小川に冷やした西瓜の鮮やかさが
目の前の安手の風鈴に重なる
今年は、明珍のすずよかな黒も錆び付いた
錆びてなお、奏でる音の清らかさよ
しかし、今年は一休みだな
甲冑師の想いを辿れ
赤錆びた
[次のページ]
戻る   Point(4)