わたし。/渕崎。
 

わたしは「わたし」が好きではない。
中途半端でプライドばかり高いくせに、何の行動すら起こさない弱いわたしが嫌いで嫌いで仕方ない。

境界性人格障害、それがわたしに付けられた病気の名前だ。
コントロールの上手くいかない感情を日々持て余し、大量の処方薬で感情そのものの起伏を押し殺し、ただ毎日を淡々とこなしていく。
刺激はあってはならない、今のわたしにはその刺激は毒にしかならぬのだから。
ただ毎日を淡々と、そして無感情に感情を押し殺し進めていく。
とても、つまらない人生だ。
枯れて萎びた木そのものだ。
蕾は花開くことなく萎れている。

喜びも悲しみも怒りも笑いも、一通りの感情を
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