わたし。/渕崎。
 
情を持って生まれたはずなのに、私はどこか欠けてしまった。
感情の欠片はどこかで落としてきてしまった。
いや、落としてきたのではなくてわたしの心の奥底に隠して沈めてしまったのだろうか?
もう、そのことすら解からない。


お荷物のわたしは、日々えへらえへらと笑いながら被害妄想を振り切るように笑い続ける。
泣いてはならない、泣いても何一つだって解決しやしない。
けれど、母親がわたしを見る眼は優しいはずなのに被害妄想も甚だしいわたしはただ攻め立てられているような気持ちに囚われて、自分の中で必死に必死に足掻くのだ。



足掻いて、この泥沼の現状を抜け出せるように、ただ詩を書き続け行き場のない感情を吐露し続けるのだ。
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