じいちゃん/
 
じいちゃんが火葬された
あっけなかった

歪んだ炎の真っ赤な色や
煙がひたすら立ち上るところを
なんだかわからないけど想像していた

けれど実際は
でっかい鉄筋の建物の中で
僕が親戚のおばさんに戸惑っている間に
じいちゃんは骨だけになっていた



じいちゃんとは八十も歳が離れていた
父さんもじいちゃんも「おそかった」んだなと
中学の頃に思ったけど
じいちゃんは実は再婚だったらしい
それは最近知った

九十過ぎてもテニスをやっていて
殺しても死にそうになかった
あの人は百まで生きると
みんな言っていた



死ぬ一ヶ月前
全身によくわからない
[次のページ]
戻る   Point(5)