じいちゃん/健
じいちゃんが火葬された
あっけなかった
歪んだ炎の真っ赤な色や
煙がひたすら立ち上るところを
なんだかわからないけど想像していた
けれど実際は
でっかい鉄筋の建物の中で
僕が親戚のおばさんに戸惑っている間に
じいちゃんは骨だけになっていた
じいちゃんとは八十も歳が離れていた
父さんもじいちゃんも「おそかった」んだなと
中学の頃に思ったけど
じいちゃんは実は再婚だったらしい
それは最近知った
九十過ぎてもテニスをやっていて
殺しても死にそうになかった
あの人は百まで生きると
みんな言っていた
死ぬ一ヶ月前
全身によくわからない
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