じいちゃん/
 
ない管をつけられて
赤ん坊のようになったじいちゃんを見た
口にも管が付いて
喋ることもできなかったけれど
握る手だけは驚くほど
力強かった

たいして遊んでもらった記憶もないのに
図体だけ大きくなった僕は
泣きたくて仕方がなかった
逃げ出したくなった




「これはとてもきれいなお骨ですなぁ」
「最近は火力も上がってますから、きちんと
お骨が残ることは少ないんですよ」
「きっと元気な方だったんでしょうなぁ」
「ほら、喉仏もちゃんと残ってらっしゃる
きれいな仏さんですよ」

「ほぉ そうなんですかぁ」
「ありがたいことで」
「こっちの骨はなんという…
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