白紙/嘉村奈緒
 

いつもララしてる

おねーさんのお目目は困ったくらいの蜻蛉球で
少しずつ村の人が齧っていくものだから
少しずつ世界が薄くなっていったけれども
その度に縞模様が増えていくので
おねーさんはますます綺麗な色でいるしかなかった
村役場では
暮れに現れた鍾乳洞に誰が入っていくかでもめていた
あの紫の場所は
鍾乳洞なんかじゃないのに
しょっぱい空の日に
パペットをぶら下げてついて行った
いつから関節が木組み式になっていたのか忘れてしまった
ネジを覗くと
紫のねーさんが薄く笑っていた
その向こうの
村役場の人はみんな関節が木組み式になってしまったので
思い思いに帰ってい
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