決定権のない恋。/e R i
それは、いつも冬でした。
バレンタインの空気はピンク色で、
寒さのピークを緩和しながら、激しさを増す。
イロトリドリのラッピング材料の中、
アタシは埋没してゆく、耐えきれない愛の渦に。
何年か前の冬、インターネットでとある男性の詩を読みました。
それはとても激しい恋のかおりのする詩でした。
引き返せない覚悟と、流れてゆく物事の緊張感。
なのに、とても自然に吐き出されていて、
言葉が、心に引っかかって、違和感を感じたんです。
その詩を読んでから、すぐにその人を好きになりました。
初めて男性が恋をしている姿を美しいと思い、儚いのだと知りました。
それから、アタシ
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