決定権のない恋。/e R i
 
タシはバレンタインという行事に少しだけ挑戦してみたくなって、
生まれて初めて、カップケーキを作りました。
もちろんチョコレート味でした。
散々悩んだのに、とてもシンプルなラッピング材料しか選べなかった自分のことも、
とても可愛い奴だ。と、思えました。

そうして、行事が一段落してから、
アタシはインターネットで読んだ詩の主に一通のメルを書いたのです。
詩を読んでからの色鮮やかに変化した視界を、
どうしても伝えたかったから。

数日後、そのメルの内容が、一遍の詩になってかえってきた時の、あのキモチ。
今でも思い出せる。
ずっと、その感情に適当な名前は見当たらなくて。
でも、今思うと、あれは激しい欲情だったような気がします。

幼すぎて、理解出来なかった。
ただ、怖かった。
男の人の恋はとても激しいこともあるのだと知ったあの日から。
怖くて、怖くて。
その激しさをもちあわせていない彼氏になった子のコトも。
その想いを望んでしまっている自分も。
怖かった。

それから、毎年冬になると、恋をしています。
とても、激しい恋をしている人に。
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