あなたの願いかなえます製作所 第?支部 所長宛/碧姫
歯磨きをしてそれから眠る。
日々咀嚼していく中で小さく噛み砕かれた
憤怒や諦めのかけらを落とす必要性があるからだ。
細い白い小さな毛先で僕は何もかもを洗い流そうと。
転んでしまっている 歯磨きチューブの隣
小さなかえるの人形は妙にニヤついて僕をイライラさせる。
真っ白なシーツなんていつから見なくなったんだ?
思い返そうとしてもうまくはいかない
記憶の原っぱはあまりにも広く
その中を無げ縄一つで彷徨うなど所詮僕には無謀なことだ。
トラップに何かが引っかかることは少なくないが、
それらの小さなフラグメントは僕をさらに不文律の深遠へと運ぶ。
暗闇
静寂
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