組曲(八月)/船田 仰
 
だからベイビー、そのゆるぎないてのひらの上で
踊りだす術をおしえてほしいんだ
おもいが溶けてぐちゃぐちゃになる前に
静寂がつぶやく前に、できれば

この惑星は街灯によって回り続けてるとして
ぼくは“ドゥーアイラヴミー?”
雨が飛び込んできた夕暮れにもどって
あんたのその目が嫌いだからさあ
根っこにある痛みを分けてあげるって
言ってみて
ベイビー、確かめただけ
呼んでみただけ
いい加減なリズムとの兼ね合いをとりしきる
ひとしきり、“夏と交際した、”ぼくだからなんだ
体なんだ
ゆうべ感じたおもいを言葉でがんじがらめにする
檻とはおもえない
真っ黒でおもたい、うすっぺ
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