「 文人になるという夢 」 /服部 剛
今、僕が書こうと思っていることは、個人的なことである故、
この手紙を読んでくれる方の中で、僕に親しみを感じる人がいれ
ば、その人に、僕が最近考えている本音をそっと打ち明け、何か
思うことがあれば助言をいただければありがたいと思い、この深
夜に、一通の手紙を書いている。
僕は老人ホームで勤めて八年半になるが、お年寄りと共に歩む
日々はかけがえのないものと思う。それと同時に、最近は、只同
じような日々の繰り返しを味気なく過ごしている自分を感じ始め
ている。「今のままの自分でいいのだろうか・・・」そんな思い
が時折胸に過ぎるのである。
本来、人
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