誤報+光彩+波止場/一般詩人-
+誤報+
夏蜜柑色の
カーブミラーに
映る
途方にくれた宵の
ちっぽけな存在感が
ちっぽけに健やかに
廃している
森の陰でぐったりと元気な蕨を折る
麦藁帽子の奥が宇宙のように暗い
夏の奥深くから
蝉の咆哮が聞こえるのだ
そうあの日
たった一匹で鳴いていた誤報が
カーブミラーの中で俺を見つめ返している
どこかでかつて聴かぬ祭り太鼓が
少なくともそこに俺はいない
ファールボールがカーブミラーに飛びかかり
破片が花火のようにはじけた
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+光彩+
ありえたか
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