誤報+光彩+波止場/一般詩人-
 
+誤報+

夏蜜柑色の
カーブミラーに
映る
途方にくれた宵の
ちっぽけな存在感が
ちっぽけに健やかに
廃している

森の陰でぐったりと元気な蕨を折る
麦藁帽子の奥が宇宙のように暗い

夏の奥深くから
蝉の咆哮が聞こえるのだ

そうあの日
たった一匹で鳴いていた誤報が
カーブミラーの中で俺を見つめ返している

どこかでかつて聴かぬ祭り太鼓が
少なくともそこに俺はいない

ファールボールがカーブミラーに飛びかかり
破片が花火のようにはじけた

++++++++++++++++++++++++++++++++++++

+光彩+

ありえたか
[次のページ]
戻る   Point(1)