誤報+光彩+波止場/一般詩人-
 
たかも知れない音色を聞きながら
ありえたかも知れない生活を夢想していた

もちろんそんなものは砕け散っていて
俺はバラックに据え付けの
電気コードだけで世界に紐づいていた

今からその音色で
トムとジェリーに出てくる
チーズみたいな穴を埋めるのか

窓から見た世界は
どうせバラックじゃねぇか
全体重をかけてローキック

光に浸かれ

おまえがあこがれた世界を
おまえのものにするために

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+波止場+

線路が水没したため
駅のホームは波止場になった

駅員が敬礼しあう朝の風景は変わらないのだが
やってくるのはことごとく屋形船であり
律儀にツーマンセルである

朝から赤提灯
船内は既に宴会
屋形船箱乗り
乗れや乗れや海までゆこうや
出勤する気ないだろアンタ等

海風に吹かれながら
透き通る線路を
その向こうの摩天楼を
よそごとのように眺めていた



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