欠けた記憶 〜低学年〜/doon
 

 私は 笑った
 痛いから痛いといって泣くよりも
 苦しいから苦しいといって泣くよりも
 おかしい人間みたいに
 笑っていれば
 自分ごと嘘をついてしまえば
 そっと
 息をしているのも楽になる
 僕以外の人も 楽しくなる
 今の僕を消そうとする僕も
 泣いて微笑むぐらい楽しくなる

 自ら身体を痛めつけ
 殴られやすい所へ逃げ込んで
 あとはじっと待っていれば
 隠れているから
 見つけて狩りが始まる
 大人は誰かを殴っていることに気づかない
 ばれなければ
 いつまでも いつまでも――   ――――いつまでも
 自分ごと無いって事にできる

 不
[次のページ]
戻る   Point(0)