欠けた記憶 〜低学年〜/doon
 
 不意に
 堪えられないほど 寂しくなって
 泣きそうになった

 それを見た女の子が言った
 「やめればいいのに」

 僕を否定した
 僕の居場所を否定した
 僕も知っていたけど
 僕にはできなかった
 僕は笑えなかった
 僕が消えていきそうだった
 僕に居場所をくれなかった人が
 僕から居場所を奪おうとした


 あの部屋隅の角っこにいけるから
 殴られることもできるし、痛くて自分じゃないって学校で言える
 唯一の場所なのに

 何も知らない言葉が
 後ろに隠してあったちょっとの場所さえも
 剥ぎ取られてしまった

 ボクハ ドウシタラ ドウシ
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