彼の恋の詩(こいのうた)/蒼木りん
彼が書く恋の詩は 故意の詩だ。
生まれたての恋の詩。
素描画は素直だったろう。
しかし、
そのままでは許さない。
ただ通りすがり すれ違うだけではいけないのだ。
立ち止まらせ、購入されなければ。
気に入られて 誰かの部屋に飾られなければ。
色彩妙画。 テラコッタの逸品。
それは、
簡単に言ってしまえば
愛であるからなのだろう。
愛と言うものの定義はどこかで区別はつくだろう。
しかし、一つに決まるものではないから。
恋するこころから生まれた詩と
その詩に対する愛と自己愛。
意識下では
愛への欲の呟き。
作って 売って
そして得
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