姪がうまれてきた日/紫翠
 
姪がうまれてきた日
生まれてきてくれてありがとう、こんな喜びを運んでくれて
と、姉の姑さんが言った
生まれてきた子は、今二歳になって、私の名前も呼ぶようになった
こんなにも愛されて生まれてきた子供がいる
全ての幸せがこの子の上に降り注ぐようにと
私も祈るような気持ちでいる
この子のためなら、私のなけなしの幸福のいくらかを
あげたって構わないから
この世界の酷い事や怖い事からすべて
守ってあげたいと



ふと

こんなに望まれて
愛されて
私も生まれたんだろうか
なんて おもったりして
意外と そうだったりして


人はきっと誰しも
自分が望むように
[次のページ]
戻る   Point(3)