四行未詩日記・二〇〇七年二月、三月/ならぢゅん(矮猫亭)
 
   つきのひかり・二月二日

ふゆのあさ、にしのそら
しずみゆくまんげつ、りんとしたひかり
まだあけきらぬまちをてらし
ためらうこころをあゆましむ


   春を待つ・二月一七日

かたくなに結ぼれたものがほころび
花びらや笑顔のようなものがこぼれる
そういう季節のきらめきを春と呼ぶなら
春を急く心に春は届かない


   春暁夢譚・三月二〇日

     その一

「水をやろう。俺の持ちものはこの水ばかりだ」
「せっかくだが水なら俺も持っている。そうだ、俺の水をやろう」
そこは清らかな泉のほとり、水だけは豊富だが水しかないのだ
そんな夢を見た。どこ
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