四行未詩日記・二〇〇七年一月/ならぢゅん(矮猫亭)
棒の如きもの・元日
元日、まだ家人の目覚めぬうち
ひとり庭に降り立ち寒気に浴する
「去年今年貫く棒の如きもの」はあるか
鵯がひときわ鋭く啼く、「私」を糺すように
(引用:高浜虚子、昭和二十五年作句)
初詣・二日
人波をかき分け横入り
なにを急いで願掛けなさるか
忿怒の御姿お不動様を恐れぬか
ならばどなたに願掛けなさる
ひとつ池に・三日
マガモ、カルガモ、オナガガモ
ひとつ池に暮らしていても
仲良さそうもなく、悪そうもなく
ただ一つの池に一緒に暮らしている
時流・五日
時流に乗るのも才覚か
いや乗り損ねたのが災難
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