祖母の肛門に指を突っ込んだ日/三州生桑
毎週末、私は長期入院してゐる祖母を見舞ふ。
今朝の祖母は、あまり調子が良くない様子で、口数も少なかった。
私は、いつものやうに、ポータブルトイレの処理をしたり、入れ歯を磨いたり。
一通り世話をし終へると、祖母は、おづおづと私に言ふ。
「痔の軟膏を塗ってくれんかねぇ・・・」
そんな頼みごとをされたのは、初めてだった。余程苦しかったのだらう。
「うん、いいよ」
私は快く引き受ける。
薄いゴム手袋を右手にはめ、ひんやりとした軟膏を中指に付け、祖母を横向きに寝かせ、おむつを下げ・・・。
「ここでいいの?」
と私が訊くと、祖母は、
「中! 中!」
と忙(せは)しなく応へた。
阿
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