料理で俳句?おでん/SDGs
 
本日のお品書き〜おでん〜


 まっすぐに串逆立てて関東煮

昭和三十年代に地方の子どもだった男子(とくに大阪から西)が、放課後に直行するのは春夏であれば駄菓子屋。五円のみかん水というガジェット飲料で喉をうるおした。秋冬であればお好み焼き屋。鰹節(魚粉?)だけが入ったお好み焼きが五円。もやしが入ったのが十円だった。これで空いた小腹をしばらく騙した。

春先ともなると、お好み焼きは食い飽き、お好み焼きの鉄板のそばで湯気をたてている大鍋のおでんに食指が伸びる。具を刺した串が「ほれ、つまめよ」といわんばかりに林立している。だし汁は真っ黒。練炭の熱で長時間煮られた具はどれもくたびれ果てた
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