リバイバル/直治
 
泣き濡れて小さな光よこされている
不眠症、くすんだ心がひとつある
泣きじゃくるひとり閉じ籠ったままの空
さみしいうたかきあつめて夜明けの友とする
泣くだけは泣いて心ふやけるままに
捨て柿のような心しまわれてある
少し冷えた足に毛布かけやる我が身さみしさ
白状したいすべてが夜明け前の空
さみしさが流木となって一睡もできず夜明けだ
夜明けの涼しさに人がいない道路
氷のような鈍重さでしずけさにおる
みんな遠くなる夜明け前のしじまに
胸にやぶれた手紙いちまい
涙もでないうすい瞼で詩をかいている
まだ夜は明けない寝床さみしい足のぞかせる
翔べない足が二本ある
もてあます両手が
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