相殺しきれなかった外灯/吉岡ペペロ
 

相殺しきれなかった存在があたしたちだと思った
相殺されずにのこってしまったのがあたしたちの存在

お父さんのためだけに無駄になるかも知れない晩ご飯をつくっていた

ヨシミはユキオとカワバタどちらが好きなのかを考えたことがなかった
でも近ごろどちらかが可哀相に思えたりする
ユキオとサヤマのときはちがった
サヤマとははやく別れてしまいたかったから
ユキオと別れたいとは思っていない
カワバタとはすこし距離を置こうとしている

玉葱をミキサーにかけキツネ色になるまで炒めた
そこに粉末カレーをいれ泥になるまでシャモジで練りまわす
その泥におたまでお湯を加えながら味噌を混ぜていった
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