フィクション/夏嶋 真子
6月4日AM0時05分
玄関の鍵をあけ、
わたしを窮屈な女に閉じこめている
ストッキングを脱ぐときが楽園。
爪をひっかけて伝線、
1回500円の過ちにイライラする。
シャワーを浴びるのも、
コンビニ弁当に手をつけるのも、何もかもが面倒。
心臓が全自動なことに安心する。
ベットに身を投げ出す。
手足がマントルに沈みこんで、シタイを夢見る。
(もう、このまま起き上がりたくない。)
甘えきった倦怠感に胸焼け。
眠りが瞼をなでる瞬間、
体中の意志をふりしぼる。
「メイクだけは落とそう。」
6月7日
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