フィクション/夏嶋 真子
7日AM2時17分
吐き気がひどい。
めまいの渦は洗濯機よりもうるさい。
薬の副作用なのか、
血の匂いのせいなのかわからない。
内臓も脳みそも裏返しになって外気を吸い
ひどくおどけている。
「女らしく」
「女として」
「女らしいね」
女を活用し続けて 立派な女になりました。
(それで、ここどこなの?)
子宮の真ん中あたりが気が狂ったように叫ぶ。
「神様、生をあきらめることは、ぜったいにしません。
たけど今この瞬間、女から逃れたいのです。」
6月14日PM3時36分
ふいに彼がたずねてくる。
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