だれか   蒼風薫/エヴァル−ジュ
 
冬の最後の陽光が自らを惜しんでいないと
知っていながら私は部屋で
明日などないと固く
信じ切って ただ

ほおけていた
今この瞬間の悲しみを可愛がり
手のひらに乗せたり
ベッドに寝かせたりしながら


おしまいって案外 ほら
すぐそこにいるとい
を  誰か彼女に教えてあげて

約束の日に叶えられずに    蒼風薫

 一遍を描きたい夜
あの子の魂のために
一遍を無心に、それは
今までの中で最も透明な

を全く疑うことなく
いつでも名を呼べば飛んでくる
ふしぎな猫、だった
聞いていた猫の性分とまるで異なる
おいで、と言ってそこが殺処分の部屋だったと
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