手紙が飛んだこと。/水宮うみ
物心 コップの水が有限のようにも無限のようにも思った。
音なしで大人しいけど画面から騒々しさは想像できる。
歩くたび無数の宇宙を踏みつぶしている気がして、靴底の黒。
時が経ちきみのことばの背景がわたしの文字で埋められていった。
500年前と500光年先、どっちが遠い光景だろうか。
きみが好きだった季節は過ぎ去ったのにまた次の奇跡を待ってた。
あのときの自分の言葉が他者になり、いまの自分が話しかけてる。
寝る前に小説を読む。昼間よりあなたの声がはっきり聴こえる。
ふたりのふたつのひとみ
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