PASTICHIO MEDLEY/本木はじめ
いつまでもそうやってそこにいなさいかみさまとみんなはあなたを呼んでいるけど
まだ誰も知らない土地でひっそりと虹の種など埋める秋の夜
悪だくみしてもいいけどもう二度と砂のお城は作れないわよ
有刺鉄線飛び越えて楽園目指すはるか昔の服の切れ端
その帯を引っ張りなさいそうすれば明日への扉が真っ赤に開く
さよならと別れを告げたあともなお追い駆けてくる放課後のきみ
連絡船彼方に見える沖合いで帰らぬひとを待つかのような
薔薇であったとき薔薇であったとき薔薇であったときのように枯れてゆくのね
遊園地ぼくがまるごと貨しきるよ回転木馬はき
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