PASTICHIO MEDLEY/本木はじめ
はきみだけのもの
掘り返すタイムカプセル埋めた日のあなたの髪が退色してる
遠くまで走り去ったねもう君はここの秋にはいないんだよね
あの秋の夕焼け見える放課後の教室ひとつ僕にください
手を振ってお別れにする人生が僕だけ置いて楽園となる
止まってる柱時計が動き出す娘が祖母と呼ばれる頃に
振り返るあなたは既に朝だったこんばんはさへ言えずたたずむ
真夜中に街中ひっそり停電すまるで神でも死んだかのよに
川辺にて映す写真の僕らには水のくさりがまきついている
ただひとり夜の廊下に立ちすくむ制服姿のきみのあこがれ
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