戦慄/yumejiki
暗黙に覆われた憂きの日に
肌つきささりし 蟻走の如き責苦に耐えかね
赤の屍衣を身につけ 細く白くか弱きものに現化す
哀れ 夢か現か されど惑わらん 惑わらん
かつての現の未練 果たされぬ想い 忘れることなし
美の臭気に誘われ ひさかたの春を堪能せど
屈んでみれば爪先の哀愁 業火の如き想い蘇りけり
逢うか逢わずか 果たすか果たさぬか 躊躇えど
いにしへからの貫徹の練 霞になりて消えることはなし
世に身を委ね 川流の如く趣くままに闊歩せば
現の羊の想い人の元に 迷わず到着せり
貴方変わらず蝶の如く酩酊し 儚き想い刹那に払拭す
臭気のありき花は美しきと思せど 臭気の無き花は
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