八月の絶唱/飛鳥 彰
短歌 「わが友に贈る歌」
ペガサスの
飛ぶがごとくに便りあり
ミッドナイトの花の香のせて
麗しき君は十九歳(じゅうく)の
薔薇の花
昇る朝日にその身かがやく
君が身を船にたとえて
歌を詠む
白き帆船(ふね)ゆく海は洋々
ドルフィンを従え走る帆船は
歓喜(よろこび)みちて
潮に酔うなり
君や知る
ブルームーンと名づけられ
月下に碧き薔薇の咲きたるを
サクランボ
薔薇のつぼみと見ゆるかな
乙女は熟れたる桜桃売り
さおとめも熟女もうたえ
薔薇の花
時間をとどむるもののなければ
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