ゾウさんとキリンさん/後期
 
ゾウは深刻な顔で悩んでいた。
鼻が長すぎるのである。
長いというより、余剰だった。用途不明の延長コードのように、床にとぐろを巻いている。歩けば踏む、踏めば驚いて鼻が跳ね上がり、跳ね上がれば自分の顔面を往復ビンタする。朝から自己懲罰。誰に命じられたわけでもない。

鼻は暇を持て余すと勝手に哲学を始める。
「私はどこまでが私なのか」
考えが長くなりすぎて、結論が鼻先に到達する前に夕方になる。ゾウは昼寝をする。鼻だけが結論を考え続け、翌朝、まったく違う答えを持ち帰る。
「やはり私は私ではない」
ゾウはうなずくが、どこをどううなずいているのかは分からない。

一方、キリンも困っていた。
[次のページ]
戻る   Point(4)