一月尽・この世の真理と幸い/岡部淳太郎
 
自分の誕生日も過ぎて一月の終わりになり
年頭に立てた誓いや希望も色褪せて見える頃になると
年甲斐もなくこの世の真理と幸いについて考えてみたくなる
冬らしくない日差しの強かった雨の少ない冬は過ぎ去り
早くも花粉が鼻先をくすぐるようになる頃
私は自らの生の過ちとそれにまつわるあやかしについて
思いを巡らせてみる

思えば私は 自らの幸いについてなど
ろくに考えて来なかった
ただこの世の謎と真理を解き明かすことにのみ
心を砕いてきたように思える
そのことが良かったのか悪かったのか
私にはわからない
きらめくまぼろしはきらめくだけきらめいては
やはりまぼろしとして
何かを悟
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