一月尽・この世の真理と幸い/岡部淳太郎
を悟ったようにして消えていった
空へ その向こうの涅槃の方へ
私が求めたのは結局真理だったのか幸いだったのか
あるいは 私のためだけの真理と幸い
人のための真理と幸いだったのか
それすらもわからずに
それらはこの世のものとしてたゆたい
やがて聞き分けのない春が近づいてくる
もうすべてを放下してもよい頃合いだ
山の向こうに見える海は永遠を隠しているが
私はその一端にすら触れることが出来ず
真理も幸いも
とおく霞んだままだ
朝の鳥は飛ぶ
囀りながら空へ それぞれの信じる
歌のこころの方へ
(2026年1月)
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