シミ/花野誉
娘と話した夜
相談にのっているうち
白熱し過ぎた
彼女の心を
置き去りにしたことを
謝罪する
彼女は私ではない
私の轍を踏むと
見当違いも甚だしい
それがきっかけ──
湯船に浸かりながら
ふと
過去の私と今の私を繋いでいた
もう過ぎたことと
決めたこと
それは
今では模様となった
絨毯のシミのよう
シミの理由を見つめるのは
心地良くない
髪を乾かしながら
目が赤くなる
濡れた顔に涙は流れない
──まだ、許していないのか
あの時の私が
声を出さず俯いている
こんなに月日が経っても、
そこにいて
私は一
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