冬のうた/よるもと
こごえがちの小鳥
手のひらから雪のかけらひらめく
みずうみの果て 赤くしもやけた薬指から結晶化していく蜘蛛の巣をはる
ほんとうのことはどこからわきでてくるのかわからないので何も信じられない
ほんとうのことはかなり昔のジュークボックスにほこりをかぶって眠る
手も足もかたくてどこもひっぱれない
かおの堅さは注射をうってもだめ
丁寧にまゆを描くしぐさの その線の 線を引くしぐさの
しろい肌、フアンデイションでぬりかためたわたしの
空虚たる所以でもある
ほら手をとって123
ステップを始めなければこのつめたい空気のなかでは
地球も止まってしまうね
呼気が飛んでってしまえばそれはも
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