風の音/201
涙でぎとぎどのぜつぼうと
血でがびがびのきぼう
誰かが笑っているのをいいことに
私だけが生きている
申し訳程度に連れている神様の子供
神様がいないことにも慣れた癖に
そこから先へ行けないと思ったこともない
ふわふわした未来への憧憬
世の中には一生ケーキを焼く人がいて
わたしはつまり一生を生きることだけでもういいと
諦められ慰められ憐れまれ恵まれ与えられて
しにたいと言う事すらできずに
幸せになりたいと言ったことがない
幸せだったこともない
幸せだったかどうかを考えた時に
全然違ったなって思うだけ
この世に何かを残さなければいけないなんて
もうとっく
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