天国は展開の極意/菊西 夕座
 
――私はきいてゐる、さう! たしかに
  私は きいてゐる その影の うたつてゐるのを……
                立原道造「真冬のかたみに・・・・」

――耳をひたした沈黙(しじま)のなかに
  なんと優しい笑ひ声だ!
                立原道造「鳥啼くときに」

――蝋燭の場所を変えた。指の影は別の側へ行って反対にうつった。
  しかし、鋭い爪のついた指は元のところにとどまって、
  オニュフリユスの駒を動かし、彼を負けさせるすべての方法を使った。
                テオフィル・ゴーチエ「オニュフリユス」



立原道造くんの詩
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