coincidentia oppositorum/ホロウ・シカエルボク
 

散らかったイメージを一瞬の構成の中に誘い、ひとつの体系を生み出す、その時の真実、その時のリアル―俺は思考がまだ信号の段階である時にキャッチして変換する、脳味噌はその作業をするには遅過ぎる、それは神経の反応のようなものだ、俺の神経系統はどうやら、言葉と直結しているらしい、医学や化学を信じている人間はこんな言い草を鼻で笑うだろう、でもそんなことどうだっていい、やつらにはイメージの中で言葉を紡ぐことなど出来はしない、知りたかったことを知ろうとしなくなったことで俺はそれを手に入れた、人間の本質は思考に縛られはしない、思考は補佐に過ぎない、思考に頼り過ぎると人間は感覚を忘れる、俺はそのバランスの取り方に
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