秋の終わり 冬の始まり/201
 
蟻の子ですら分かることが
君に説明できない
詩人なんかやめてやろうと思うのは
そういう時だ
そもそも詩人であったことなんて
一度もないって言いたいんだろうが
それは
鳥とか魚とか人とか天使とか
なろうと思ってなる類のものじゃない

本当のことは君だけが知ってる
皆死ぬ
たとえとしてそれが一番身近だってだけだ
皆死ぬ
だからなんだ
踊り出したくて仕方がないほど
幸せなんだ
踏み殺さないように必死だってことを
ダンスが上手いと言うのかもしれない
世界は広いから
溜息が出る

人に変なあだ名をつけたり
嫌いな物を食べなかったり
時間が来るまで寝てたり

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