ルシファー/りつ
 
あなたはただいちばんに愛されたかっただけ
それがかなわなかったから
哀しくて哀しくて、堕ちてしまった

ルシファーは
天使の中で、誰よりも美しく有能で
“神”の一番の側近だった
それがとても誇らしく、自分以上に“神”に近しい存在はいないと自惚れていた。
人間が生まれるまでは。

“神”は人間に夢中になった
あるとき“神”は告げた
「御前たち天使は、人間に仕え、人間に傅(かしず)くのだ!」
他の天使たちは、お告げに従った

だけどルシファーは納得いかなかった
ルシファーは“神”に言う
「神よ!神よ!何故私たちが私たちより劣っている人間に仕えねばならないのですか
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