マンガすれ[38]
2005 09/25 21:10
角田寿星

西原理恵子「ぼくんち」

母に捨てられた子供たち、河原のホームレス、シャブ中の落ちこぼれヤクザ、生きるた
めに体を売る少女、生きるために体を売ってきた元少女のババア、街の不良。みんな、
ちょっとやそっとじゃ死にそうにないようなバイタリティーを持ちながら生きて、クソ
みたいな世の中に呑み込まれて死んでいく。
虫ケラのような少年の成長。クソみたいな未来はあたたかさに満ちている。
西原さんは、こんな物語の描写が、実にうまい。


坂田靖子

彼女は『ジュネ』とかにも書いてて、同性愛マンガの印象も強いんだけど、今昔物語寓
話ふうの小品に、ものすごい才能を感じる。お薦めは、下の2作品。

「春の磯」しずかなハマグリの夢。全編にあふれる詩情。
「葛の葉」こんな安倍清明、彼女にしか書けない。


高野文子も好き。一冊挙げるなら、「棒がいっぽん」。
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