2016 04/04 14:46
ハァモニィベル
>277 アラガイさんへ
洋画家の小出楢重が、随筆の中でこう書いてます。
●――――――――――――〔引用開始〕
大体、人間は何んといっても幼稚園を過ぎる頃から少しずつ智恵がついて来るはずのものだ。しかし、まだ何んといっても七、八歳から十歳までは母の胎内にありし日の面影を失わない。何んといっても半神半人の域にある。この域にあるものは絵を描く、童謡をつくる、歌う、それが皆なまでで、上手で、神品である。悉ことごとくが詩人で芸術家でもある。
ところで彼らが十二、三歳ともなると妙に絵も歌も拙まずくなってくる。彼らの心から神様が姿を消して行くのだ。従って全くの人間と化けてしまう。
――――――――――――●〔引用終了〕(『小出楢重随筆集』岩波文庫)
12.3歳で、「全くの人間と化けてしまう」なら、20、30歳…と年を取れば、もっと「人間と化けて」いくのは言うまでもありません。そうなって後にも、小出の言葉を使えば「心から神様が姿を消して行」かない者、ケストナーの言い方なら「その頃を思い出せる」者が、ごく一部いるわけでしょうね。皆無に近い者、遠ざかる者、薄く残ってる者、レトルトも手作りも区別できない者など、いろいろなレベルで存在するとは思います。
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ですが、
作品があまり投じられてないので、「童心」の議論より、
ミニ企画にわたしの関心は移っています。
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