○現代詩フォーラム短歌部○[434]
2006 02/06 10:40
ふるる

こんにちは。私も好きな歌を一首ずつ・・・。(縦書きのものは横書きになってしまいますが、すみません)
絵など浮かんだものは、それも書いてよろしいでしょうか。

カオリブレンダーさん
「死してなほ国歌と定めし売女(ばいた)を呼び出し諭す「ロッカーは蹴るな」」

正座させられて、お説教されている売女さんが浮かびました。へこんだロッカーが側に・・・
暗い感じなんだけど、ロッカーが存在感ある絵という感じ。

こもんさん
「抗菌の ボールペン握り 立ち尽くす 先のほうから舐めたらいいの?」

ちいさな女の子が、ボールペン握り校庭に立って、友達に聞いています。かわいい。
こんなかわいいこと聞かれたら、「もうどっからでもどうぞ!!」と言わずにはおれませんとも、ええ。

クロエさん
「追いかけた音符につまづく舌のこと気づかぬ君のフェイクするJAZZ」

女性が舌を出しながら走っていて、いろんな音符や、JAZZっぽい写真がコラージュしてあります。
「づ」「づ」と止められて、「フェイクするJAZZ」が開放的でかっこいいなと思いました。

汐見ハルさん
「蜂蜜をかけて闇夜に置き去りに
         
        エビフライ ぽつん 
              




                    もう、たべられない」 

そんなこと言われてもどうすればいいのでしょうか?この宙ぶらりん感がたまりません。
これは、映像です。真っ暗な舞台があって、真ん中にエビフライ。
エビフライに蜂蜜を掛けて、どっかに行く女優。

簑田伶子さん
「蜂蜜をかけて闇夜に置き去りにした君の名がかなしんでいる」

森の奥の薄暗いところに横たわる女性。ないています。涙が蜂蜜です。
君の名がかなしんでいる、というのがかわいそうかわいいです。

芙卯さん
「珈琲の苦さも世界のおしまいもせーので君が飲み込んでくれ」

大きな大きなコーヒーカップを覗き込んでいる男の子と女の子。
ええもちろん、飲み込みますとも、何杯でもよろこんで。

関根悠介さん
「抗菌の ボールペン握り 立ち尽くす犬。黒い人魚の下半身」

犬の頭をした人が、ボールペンを握っています。そのペン先から生まれる、黒い人魚の下半身。
素敵です。絵としてとても好きです。

一代 歩さん
「爪を噛み 吐き出してみた そのかたち新月でした ここにもう、ない」

真ん中に小さく書いてある絵。指と、切った爪があって、三日月型なんだけど真っ黒。
不思議な空虚感があります。なくて、そのないのがあるという。

ピッピさん
「カッターをカチカチさせて保健室ここでは白い火事が見れます」

保健室のカーテンが白く燃えている絵です。
白い火事ってすごいですー。「すごさ」を感じます。

easy
「蜂蜜をかけて闇夜に置き去りに そしてふたりは化石となって」

クリムトの「接吻」が浮かびました。
さみしかわいい感じです。「そして・・・となって」どうなるのかな・・・

一日ミチルさん
「引き出しのなかでちいさな人が読む 身体の仕組み 途切れ途切れに」

ちいさな人が一生懸命、暗いところで読んでいるのが浮かびます。
途切れ途切れにってほんとに小さそうでいいですねー。

守り手さん
「圏外のサービスエリア出る頃に紙飛行機よはぐれ燃えたり」

サービスエリアの向こうに、燃えてながら飛んでいる大きな紙飛行機。
サービスエリアという硬い箱物と紙飛行機が燃えている軽さがいいなと思いました。

山田せばすちゃんさん
「追いかけた音符につまづく舌のこと覚えていますか?
あれも二月です」

二月のカレンダーが、数字の部分は音符で、イラストなんかが書いてある部分は舌が出ています。
「覚えていますか?」って覚えてもいないし、舌が二月なわけないんですが、何か説得力があります。


みなさん、それぞれの色があって、とても楽しく読ませて頂きました。
ありがとうございました。
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